-オモイノツバサ- AffectionAile Adolescence style は 神崎ゆうり(今そこにある神崎)のイラストと雑記のサイトです。

1/21 チュウニズムはいかにして在るか

たまにはゲーマー(自称)らしいことでも書いてみようと思いまして〜……。
題材としては、うん、そう、チュウニズム。ゲーマー的にはこれ、とても良く出来たゲームだと思ってますの。

そもそもどんなゲーム?

ジャンルとしては音ゲーに分類されます。
パッと見はサウンドボルテックスが一番近いのではないかと思うのですが、入力機器として『初音ミクProjectDIVA ARCADE Future Tone』に使用されているスライドパッドを採用しているのが大きな特徴です。
このスライドパッドは、見た目では板一枚なのですが、実際は32分割された精細な判定エリアを持ち、タッチすることで入力を感知します。

また、筐体の両脇にはセンサーが設置されており、射線を遮ることで判定を感知します。
音ゲーなのに画面タッチはおろか、空を切ることで判定が発生するという斜め上なシステムを久々に搭載しています。(もうみんなダンスマニアックスとか覚えてないから……)

しかしこの「AIRノーツ」、なかなか楽しいのです。腕を振り下ろす機会が多く、ちょっとした指揮者気分に浸れます。まさに中二気分を味わえる動作と言えるでしょう。

で、ゲーム画面は?

だいたいこんな感じです。


参考:http://www.nicovideo.jp/watch/sm26786484より抜粋
…音ゲーをやったことがある人なら多くの人が多分こう思うのではないでしょうか。

「ノーツでかくね?」

大きいです。
というのも、これがチュウニズムの大きな特徴で、他の一般的な音ゲーのような物理ボタンないしボタン型の部品を排除した結果「ノーツの大きさを譜面製作者のノリで好き放題出来る」というフレキシブルさを得てしまいました。

これにどんな意味があるのかというと、実は非常に大きいです。
簡単に言うと「大きいノーツは大雑把にスライダーを触るだけで良い」ということになります。これは音ゲーというものをはじめてプレイする方にはとても親切な設計です。従来の音ゲーマーはみんな、ボタンを押し間違えまくり結構な回数の苦労をしたはずです。
しかしチュウニズムでは正解の判定自体が大きいため、押し間違いが発生しにくいのです。

そして逆に「難易度を上げたければノーツを増やすのではなくノーツを小さくしても良い」ということでもあります。

従来の音ゲーで難易度を上げるためには、ひたすら譜面の密度を上げていくか、とにかく視認が困難な譜面にするしかありませんでした。しかし、チュウニズムではノーツの大きさを半分にするだけでも難易度がそれなりに上がるのです。
これは、音ゲーというジャンルの行き詰まりを解消する新しい手法です。

※先駆者としてスマートフォンの「Deemo」もあるのですが、こちらはピアノの伴奏を意識した結果行き着いたインターフェイスのため、そこまで極端にはしていません。

譜面とは別のところで戦いは始まっている

さて、このゲーム、ちょっと楽曲の解禁方法…というか解禁要素に妙な付帯価値があります。
流れとしては、

楽曲成績に応じてスゴロクのマスを進む → ゴール地点で課題曲を提示される → クリアすることで解禁 という単純なものではあるのですが、

手持ちのキャラクターが増えるんです。

そもそも音ゲーで手持ちのキャラクターって一体どういうことなのか、と疑問の方もいらっしゃるとは思いますが、チュウニズムの課題曲はキャラクターのテーマという形をとっており、課題曲をクリアすることでそのキャラクターを使用することが出来ます。


課題曲出現の様子。他の曲もプレイは出来ますが、課題曲をクリアするまで次のスゴロクには進めません。

キャラクターはそれぞれ様々なイラストレーターがデザインしていて、好みに合ったキャラクターを使っていくことが出来ます。

また、キャラクターにはそれぞれ特殊なスキルがセッティングされており、クリアゲージに様々な効果が反映されます。
初心者向けにMiss時のゲージ減少を緩和するものや、総じてゲージの伸びを良くするもの、中にはゲージ増加率を大幅に跳ね上げる代わりにMissが増えると強制終了するものまで多種多様です。

これらはキャラクターを使い込むことで効果が微増し、クリアゲージのボーダーラインを突破するのに大きく役立ってくれます。
つまるところ、工夫次第で難しい譜面でもクリアができる可能性があるということです。このゲームの戦いは、譜面が流れてくる前から既に始まっているのです…。

ちなみに、極端な話、曲とキャラクターのかみ合わせ次第では1つもノーツに触れずにクリアすることも可能。なんなんですかこれ。

初心者には優しく、上級者には地獄を見せるシステムの妙

上記のように、クリアゲージを稼ぐためにキャラクターを選別して育てるという要素があるわけですが、課題曲は課題曲でこれを見越した仕様が発生します。普通はMasterでも4ゲージあればクリアできるのですが

……?

……?!

増 え る な。

ゲージ6本です。未プレイの方だとピンと来ないと思いますが、このゲーム、普通にやっているとゲージ5本が普通に稼げる範囲で、6本は大変困難、ましてや後半の課題曲ではたとえフルコンボしても届かない場合すらあります。
こういった曲相手には前述の「強制終了のリスクを伴うキャラクター」を用意する必要があり、まさに地獄変です。

もっとも、救済措置もあります。
それが「チケット」で、ゲーム内通貨で購入しておくことで課題曲の難易度を下げることが出来ます。


本来私のレーティングだと難易度11のEXPERTを提示されるのですが、チケットで下の難易度へ回避した図。クリアゲージも6本ではなく5本ボーダーに低下しました。即死の危険も薄いため、積極的にハイリスクスキルを使いゲージを振りきっています。


課題曲クリアでキャラクターゲット!なお、EXPERTとMASTERは後でおいしく頂きました。

もちろん、チケットに頼らずに気合で乗り切るのも個人の自由です。初心者には優しく、求道者には相応の地獄を提供してくれる、懐の広いバランスが魅力です。

で、結局面白いの?

面白いか面白く無いかで言えば

アホみたいに面白いです。

敷居は低く、取っ付きやすい体を取りながら、地獄はきっちり地獄として機能している、良いバランスのゲームです。また、地獄や複雑な解禁要素を全プレイヤーに押し付けない姿勢も大変好感が持てます。
セーブ用にセガのAimeカードが必要になりますが、最初のチュートリアルは無料です。ぜひ、今からでもやってみる価値が有るのではないかと思います。ゲーマー的に。

そして、翌日の筋肉痛に苦しむのです…。